グループ実習【伊豆高原の住人】

去年、
グループ実習【伊豆高原の住人】を作りました。
これは「作りました」でして「創りました」では、ありません。←この違いは、はっきりさせておかなければなりません。

翻訳です。
原題は「Farmers」です。
でも、直訳では、使い物になりませんから、
そこは、使い勝手が良いようにと、改変してあります。

それを学内の紀要に投稿しました。
国士舘大学教養論集』の第68号でした。

負け惜しみ

グループ体験学習は、“気づき”の学習。

“気づき”の反対語は、自己正当化。
いいわけ・負け惜しみが、自己正当化。
ストレス耐性のない人が、いいわけをするのでしょう。

この年賀状には、
○○さんからのお返事を頂戴しました。
そして、曰く
「あなたのゴールは、何ですか?」って。






兎は、亀に提案されたゴールに、乗りました。
でも、
私が、私に提案したゴールって、何だったんだろうか。
そこのところを明確にしなくっちゃ。

年頭の所感から始めて、
ハナシが長くなってしまいました。

負けてもいいじゃないか

負けてもいいじゃないか。
なにも、亀と競い合うようなことではない。
自分もまた、ゴールに達したんだから ←と、いうことなんです。

今年の年頭に、知友の皆さんに書き送った年賀状の文面は、
・・・・・・だから、まぁ、遅れたっていいから、時々昼寝を楽しみながら、ゴールに行きましょう、と、いうことだったんだけれども・・・・・

でも、これって、「あの葡萄は酸っぱい」とつぶやいて立ち去ったという狐の負け惜しみ(いいわけ)と、同じですねぇ。

兎もゴールに、

兎は、負けたのです。
兎は、亀に遅れをとったのです。
一敗地に、まみれたのです。

でも、なんで、負けたって、わかったんでしょうか。
この競走には、レフリーがいたみたいです。狐が審判だったようです。

でも、兎がゴールの山の麓に着いた時、
亀が先に着いていたのです。
と、いうことは、
兎も、ゴールに着いたということでしょう。

相手を侮ると

相手を侮った瞬間に、
私たちは、自分の弱点・欠点を相手の視線にさらしてしまう、のでしょう。

←ということは、拙著『ファシリテーター塩谷の体験学習・講義編』のなかの「盲目の師匠」に書き込んだことでした。


だから、相手を侮った瞬間、相手は、こちらに対して辛辣な批判者になる、ということでしょう。

相手をバカにすると、そのことを相手から逆手に取られるよ、という寓意が、この物語から得られるのでしょうが、

でも、
本年の年頭に、この物語を引き合いに出したのは、それを私が、言いたかったからでは、ありません。
それじゃ、何を言いたかったのかというと、

戦いの条件を

走る、ということだけで競走したら、
これは、カメの負けです。カメは、そもそも走れませんから。
でも、
弱者は、弱者を自覚すればこそ、戦いの条件を考え抜きます。

距離を勘案しました。ゴールを指定しました。
ゴールを山頂とせず、麓にしました。水平のコースでした。坂道は、カメには苦手なのでしょう。
という条件をウサギは、計算には、いれませんでした。

カメなんぞ、己れの敵ではないと、あなどっていたのです。

そして、
カメは、自分の都合の良い戦場にと、ウサギを誘ったのです。

一休み

その野ウサギは、林の茂みの中に駆け込んで、そこで、一休みをしたろうと思います。

猫科の動物は、瞬発力には優れていますが、長距離走となると、からきし駄目なようですね。
せいぜい、猫科の動物の格闘は、3分間ていどだそうです。
その点、
犬は、長距離走に耐えるようです。

亀は、知っていたのです。
(あいつ、この俺をバカにして、なにやら威張ってはいるけれども、それは短距離走の場合だけ。瞬発力は、優れていても、長続きはしないんだから)って。

挑発したのは、兎でした。
「それなら、向こうの山の麓まで」と、コースとゴールを提案したのは、亀でした。